映画の現在   :カラックス監督 『ホーリー・モーターズ』と 黒沢清監督『リアル〜完全なる首長竜の日〜』

 東京で映画の日に映画館に行くと満員かチケット買えないとか
なので行かない事にしていたけど滋賀のシネコン映画の日
行ってもがらがらで見れて、1000円なので1日は暇なら映画を見に
行くことにしている。今月は大津のパルコの上にあるシネコン
クロネンヴァーグの「コズモポリス」を見に行ったが、短期上映で
昨日で終わりだったので、せっかく来たので違うの見よと、上映してるの
見たら黒沢清の新作がやっていたのでそれを見た。若松浩二監督の原作
中上健次の映画と迷ったが、昔の白黒時代の若松監督の映画は面白いな
と思うのだが、最近作の何本かは見たがあまり面白くなかったと思い
黒沢清監督の新作にした。
 今、中原昌也が新潮芸術で連載・映画の採点表みいたいなのやっていて
カラックスの新作とクロネヴァーグの新作が似ていると書いていたので、カラックス
の新作に確か90点くらいつけていたので、カラックス監督 『ホーリー
モーターズ』は13年ぶりのカラックス長編新作で友達のkさんが好きな
なので是非ともと見た。映画のロビーにカラックスのインタビュー記事が置いて
あったので読んだ。デジタル映像映画時代をカラックスが否定的になんか
言っていた。中原昌也が書いていたとおり、軽薄で白昼夢的な北野武
『TAKESI,S』を思わせる感じだった。ハーモニー・コリンの新作
も共通するところがあると中原昌也が書いていた。『ホーリー・モーターズ』は
そんな軽い、軽薄な感じでプロットの一つに広告写真をモデルと写真家が野外で撮影
している場面があるんだけど、映画全編を通して女性誌の海外ブランドの広告を見せ
られてるそんな感じでした。黒沢清の新作にも、軽薄、軽さや、ヴァーチャル感
が漂っていた。デジタル映像だと撮影の後で映像の調子を変えられるので、
監督によって全体のコントラストを強くする人と、デジタルならでわの、
粒子感や光の感じのない表情がない映像がカラックスと黒沢のデジタル映像の
感じだった。フィルム時代の両監督はフィルムの性質をうまく使った監督という
イメージだったが、そういう人のほうがデジタルの性質に特化していくのだろうか。