映画のメタ・レベル  『8 1/2』(1963)監督フェデリコ・フェリーニ  

 本作のタイトルは、本作がフェリーニ「単独」による8作目の作品であり、さらにフェリーニの処女作
「寄席の脚光」でアルベルト・ラットゥアーダが共同監督をしたのでそれを「半分(1/2)」として加えると
8 1/2本目」の作品となることにちなんでつけられたものであり、それ以上の特別な意味はない。
映画監督を主人公にしており、現実と虚構の世界が交錯する構成をもつ。映画は虚構なので撮影された時、
画面の外には監督、スタッフがいるのだけどマストロヤンニ演じる映画監督はフェリーニ自身らしく、
時間軸も同じようなので人間が2重に分裂してる感じが面白い。また、映画製作の無限地獄感がすばらしい。